中道宏 デナリ遠征記録
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多くの好運に恵まれ、今般の遠征に参加できた。
 一つは、与かっている団体が約1ヶ月留守することを認めていただいた。また当番の団地理事会や家族の理解を得た。まことに有難いことである。
 二つは、(株)アースデスクの倉岡さんが年齢制限を越えている私を受けてくれたことである。D、Eには大変ご面倒をおかけした。
 また、今般の遠征で初めてお会いしたB、Cにも大変お世話になった。
 春秋に富む彼等の、これからの山行の無事と成功を祈念し、早く朗報が届くことを期待する。
 
一日待たされてL.P.に降り立った時、世にこのようなすばらしいところがあるのかと感激した。この感じはC1、C2、……と標高を上げる度に強くなったが、頂上に立てたらもっと強い印象をもったことだろう。
 しかし、この感激を得るデナリ登頂はまことに難しい。
 一つは、天候の変化の激しさとその予測の難しさにある。天気は一日のうち何度も変わるし、好天になっても長くは続かない。世界中の天気を予測しているはずの米国が自国の最高峰の天気を予測できず、C4やC5のNPSのレインジャーが判で押したように「明日も今日と同じように悪い」では何を信じてよいのだろう。
 二つは、氷河登行に必要な物資はすべて自隊で運ばねばならないことである。Alaska Mountaineering Schoolの募集要綱やNPSお薦めのColby Coombs「Denali West Buttress」に従うと、それも膨大なものとなる。
 三つは、国内で経験できないクレバス対応である。
 今般の遠征隊は、これをまとめて解決する、恰好の隊であったが、残念ながら天候に恵まれなさすぎた。デナリ登頂にかけた私の気持ちも燃焼しつくされていない。
 それではもう一度行くか。答えを出すには、相当の時間と気持の整理が必要であろう。



 今般、(株)アースデスク公募のChikyu Alpine Club 2005に参加した私個人の記録である。経験豊かな主催者、及び他の参加者とは異なり、未熟な私の間違い、勘違いも多いことと思う。彼等とは未調整であり、本文の責は私にある。ご意見、ご叱責を歓迎する。

 画像などの美しさと読みやすさは、電子化を請負っていただいた(株)オルタナティブコミュニケーションズ(http://www.altcoms.co.jp)のセンスと技術によるところが大きい。記して謝意を表する。

 なお、トップページの写真はTalkeetnaからLPに向かう機中の窓越しのDenaliである。

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