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6. ABCの風景

(1)テント場

ア.

チベットとネパール間の古くからの交易路Nangpa La峠(EL5741m)に近い氷河上のモレーンに、ゴロゴロしている岩石をツルハシ、スコップで均し、テント場が造られる。条件としては、隊としてのまとまりのため一定の広がりが確保でき、清潔な水が導水でき、また排水が浸潤してこないところとなる。

イ.

テント場の中心は、登山の安全と成功を祈願する台であり、これよりチベット仏教の五色の旗タルタックが張り巡らされている。
隊内のテント、また隊外を結ぶ里道がいつのまにか形成されるのも面白い。

モレーン上のABC 拡大[+]   混みあうテント場 拡大[+]   離れた静かなテント場 拡大[+]
石積みの見事なテント 拡大[+]   日本隊のテント場 拡大[+]   タルタックがはためく 拡大[+]
キッチンテント 拡大[+]   キッチン内部 拡大[+]   トイレテント 拡大[+]
トイレテント内部 拡大[+]   トイレテント内部 拡大[+]

(2)廃棄物

ア.

600人の約1ヶ月間の廃棄物はすごい。高高度で、乾燥しているので悪臭はひどくないが、浄化速度はきわめて遅いはずである。糞尿以外の廃棄物を投棄している隊はないようだが、カラス、野鼠が跋扈しているところをみると、結構餌の供給があるのだろう。HEはすべてヤクで下ろしている。

イ.

糞尿は、小は一定の場所に放尿し、大は青空、小屋がけで風化を期待するのがほとんどである。HEのように樽に溜め、ヤクで下ろすのは稀有の例であろう。ヤクの糞が至る所にあり、雪が降ると濡れて臭うが、これは気にしないことにした。

(3)休養と天気待ち

ア.

ABCはこのためにある。隊内の歓談も多いが、K氏,T氏は顔見知りも多く、積極的に隊外との交流を行っていた。立派なことである。

イ.

天気の良い日は洗濯、寝袋などの日干しに忙しい。本や音楽の交換もある。私の場合、1.環境問題の新刊3冊、「セブン イヤーズ イン チベット」と「脱出記」のこのあたりの記事と地図、2.かって若い友人が録音してくれたクラッシックのテープ、3.朝夕のストレッチと腰痛体操、で結構時間がつぶれる。夜を考え昼寝はしない。

ウ.

シェルパはキッチンで歌ったり踊ったりしているが、他隊では青空のもと輪を作りゲームをする者も多い。大声を出していることから多分賭けているのであろう。物売りもよく回っている。