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9. 天気好転、登頂へ

(1)天気好転

昨日の登頂中止・撤退決定で悶々とした一夜が明けた。皮肉にも晴天である。いつものようにチョー・オユーに向かって手を合わせた。
朝食後、明日の荷下げに備え、ABCの端まで散歩した。いくつかの隊がC1に向かっている。テントに戻ると、緊張感がある。一転して登頂となっていた。
理由は

1. 雪は止み、また降雪が強風で飛ばされ、さらに寒さと風で雪がしまり、雪崩の心配がなくなった。
2. 天気予報も変わり、29、30、1、2日と風はあるが、好天が期待できる。

(2)隊の編成

1. シェルパは27日午後出発。28日からC1→C2の再工作、C2以高の工作。
2. ヨーロッパ隊は28日午前出発。
3. 日本隊は29日午前出発。
29日 30日 1日 2日 3日
C1 C2 C3 登頂後C2 ABC

4.

C3以高は通常ルートより左に工作。

5.

登頂日には隊員それぞれにシェルパ1人が付く。

(3)私の立場

ア.

私に決定権がないことは前に同じ。

イ.

しかし私にも遂にツキが来た。
昨夜一人だけ酒を飲まなかったこと、毎朝チョー・オユーに祈ったことが通じたような感じがした。

ウ.

長年の夢、多くの人の応援、この1年の養生、入山後の節制を生かす時、全力を尽くす。
カギの第一はC1→C2である。

エ.

帰国が遅れる、Bangkokにも寄れない旨、連絡した。Oさんには逆に励まされる。