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今、山へ4

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ダイエット

 アメリカの漫画「わんぱくデニス(Dennis the Menace)」の一コマに、元気であるにもかかわらず熱でベッドにいるデニスが、仲間に「小さなガラス棒が、お前は病気だと言ったので、病気なのだ」と言う下りがある。
  血糖値が高くダイエットしなければならない私もこのデニス坊やと同じ気持ちである。まず、「身長に比し体重が重いから、やせなさい。」では、説得力に欠ける。適正体重が身長のみの関数ではおかしい。人間には個体差があり、同じ身長でも脚の短い人は長い人より当然重くなる。頭の大きさも、中身の比重も、髪の毛の豊かさも身長とは関係ない。第一、私は人並みに動きはいいし、体力もある。しかし、若い頃には細身だったが中年以降肥満し、高血圧、緑内障に取りつかれ脳梗塞で逝った父親を想うと、考えを変えないといけないことはわかる。


  人はなぜ太るのか。答えは簡単である。身体が消費する以上にカロリーを摂る ――運動不足と食べ過ぎである。それでは適正体重だった年齢時の運動と飲食に戻ればよいか。それでも十分ではない。なぜなら、細胞が老化し、当時のように働かない(頭の働きも同じで、こちらの方がわかりやすい)ので、より運動するか、より飲食を減らすしかない。

 これは、現実の生活とは全く逆現象である。戦中戦後の食糧難時代に発育期であったため、機会に恵まれれば腹一杯食べることを身体が覚えている。食べ残さないようにも躾られており、この習慣は単身赴任でさらに強固なものとなっている。これに適正体重時に摂らなかったアルコールが追加される。腹に溜まるものではないが高カロリー食品である。この事実を知る前に酒の味を覚え嗜好品となった。酒席では清酒5合で1,000カロリー、これに焼鳥などを長々と食べると優に一日の必要カロリーを摂取している。

  これまで二度摂取カロリーを強引に減じる非科学的ダイエットで3ヶ月で10キロ減量したが、数年後には元に戻ってしまっていた。今回はまず5キロ減量し、それから時間をかけて、また山行と筋肉トレイニングを続けながら適正体重を目指すこととした。結果は過去の経験も活き、うまく行っている。名医の指導の賜である。

日常

 食事には随分気をつけている。朝は野菜を中心にご飯を軽く一膳、昼はコンビニで生野菜サラダ、煮野菜とおにぎりを求めて中食、夜は酒席で酒を抑え(目標はビールを少しと酒2合。毎日記録している。目標に近づいているが達成できていない)、ご飯、デザートを摂らない。間食はしない。残る課題は好きな日本酒を本気で減らさないと必要な栄養が摂れないで、貧血になりかねない。

  ジムでのフィジカル・フィットネスに加え日常のフィジカル・アクティビティにも努力している。毎朝早起きし、ストレッチ後小さな鉄アレイで運動しながら1時間速歩し、最後に腕立て伏せなどをする。日常生活でも階段はつねに上りも下りも必ず二段飛びする。特に下りは膝を上げ、残る脚に体重を残したままこの膝を折り、下ろす脚の膝の負担を軽くする。

  また、がに股、O脚を少しでも改善するため、両足の間隔を少し広げ、進行方向に平行に進め、脚の内側に体重をかける。これらは少しずつ進歩がみられるので、励みになっている。

どこまで続けるのか

 遅く山行を始めた中高年には自ずと限界がある。筋肉は何歳になっても強化できるとのことであるが、体力はそうも行かない。落ちる一方である。技術力はもっと心配である。それでも65歳くらいまでは、努力を続け、少しでもいい山行をしたいと願っている。

  2001年1月1日はSさんと二人でアコンカグアの頂上を目指していたが、6,250メートルで敗退した。今年はSさんの都合がつかず、単独行でもう一度挑み、頂上(6,962メートル)に立つことができた。
 このように登ってみたい山は国内にも海外にもいくらでもある。体力と技術力、それと残された時間との相談である。この算段もまたおもしろいではないか。
アコンガグア北峰から南峰を見る。長谷川恒男がこの南壁を冬期に単独で初めて登頂した。
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