ログハウスは木の温もりがある。来客も木の香りを悦んでくれる。零下20度Cの厳冬でも6.3×8.15×5.9メートルの箱を暖めるのにファンヒーター1台で充分で、しかも結露しない。木の箱で飼育されたネズミは鉄やコンクリートの箱で飼育されたネズミに比べ、格段に寿命が長いという報告がある。長くコンクリートの箱で生活してきた私たちもこれで少しは寿命を回復することになるかもしれない。 ログハウスは内装がいらない。窓は二重で網戸がついており、家内の工夫でカーテンをつけた。工務店からいただいた端材で台所と洗面室に物置き台を、台所と居間と物入れに棚を作った。角ログであるため作業は楽である。 客室にベッドを、台所に冷蔵庫と洗濯機を購入し、寝具、炊事用具を多摩から搬入し、山小舎で生活できるようになった。平成7年の春である。 ロフトを私たちの寝室、書斎、倉庫に兼用している。多摩で使わないものをすべて持ち込んだためまだ整理途上である。遅れている原因は単純で、いわゆる"捨てる技術"が劣っているからと自戒している。